少年事件

少年事件

わが子が犯罪を行い、または行ったものと疑われて逮捕されてしまったという場合、両親は少年のために弁護人を選任することができます。

逮捕された後、少年の身柄は、必要がないと認められる場合をのぞき、検察官に引き渡され、通常、鑑別所に収容されます(勾留に代わる観護措置)。
事件を捜査・検討した結果、少年が犯罪を行った疑いがあると判断すると、検察官は、事件を家庭裁判所に送致し、家庭裁判所による少年審判がなされるまでの間、少年の身柄は鑑別所に置かれることとなります(場合によっては身柄が解放され審判まで在宅となることもあります)。

このように、一度逮捕されると、その後には鑑別所における長期の身体拘束が予定されることから、少年の精神的・肉体的苦痛を軽減するため、早い段階で弁護人を選任するのが望ましいでしょう。
少年の場合は、精神的にも未熟なことから、成人の場合に増してこのような要請がより高いといえます。

少年が逮捕された後、弁護人が選任されると、弁護人は、速やかに少年に面接に行きます。
ここで少年の置かれている立場や法律上少年に認められた権利、その後の手続や弁護人の役割などを説明し、少年の不安を少しでも和らげるよう努力します。

また、少年は、知識・経験が乏しく、成年以上に防御力が弱いため、取調官の追及に容易く動揺・迎合しやすいといえます。
そのようなことにならないよう、弁護人は少年との接見の機会をできるだけ多く設け、少年との信頼関係を築く努力をします。

検察官により事件が家庭裁判所に送致されると、弁護人の任務はいったん終了し、弁護人は、改めて、「付添人」という立場で活動することになります(厳密には、改めて弁護人を付添人として選任することが必要です)。
付添人には、成年の刑事事件における弁護人と同様、処分ができるだけ軽いものとなるように弁護活動を行うという役割がありますが、少年事件における付添人においては、人格的に成長する中で、非行を克服していく少年をパートナーとして援助するという重要な役割があるといえるでしょう。
そのため、付添人は、捜査機関に対し、少年の学校や職場へ安易に連絡を入れないよう申し出たり、学校や職場に対しても、退学や退職といった措置を控えるよう願い入れたりする、といった活動により、少年が社会復帰した後の更生環境を整えるよう努めます。

このように、少年事件における付添人の役割は極めて重要といえますが、少年や保護者に付添人を選任する資力がない場合もあるでしょう。
そのような場合の援助制度としては、少年付添人援助事業制度がというものがあります。

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